「人間は、自分が死ぬということを知っている生きものである」(ハイデガー、哲学者)
私は長年教育現場で働いてきました。
そして、今は【就労移行支援施設すずかぜ】で、障がい(知的、精神的、軽度の身体的)と向き合って将来を切り開こうとしている若者たちと過ごしています。
私は、よく若者たちにこう問いかけます。
「命はどこにあると思う?」
そうすると、“心臓”の辺りを指したり、“脳みそ”と答えたりします。
「心臓は身体を動かすために働いているポンプのようなものに過ぎないよ。
脳みそは身体に指令を出す所なんだよ。
そして、命というのは、人間が“使える時間”の中にあるんだよ。」
と伝えています。
生と死は切り離すことのできない一続きのもの、いや 同じものと言っていいと思います。
そして、地上での時間が終わった時、生きてきた時間のうち人のために使った時間が多いか、自分だけのために使った時間が多いかをはかって、人のために使ったほうが多かった人がより幸せになるんだよ!
と教えています。
私たちは死ぬことから逃れられないし、逃れなくてもいい。
死だけを凝視するのではなく、目を背けるのでもなく、ただただ今 生きている自分の命を輝かせていくこと。
そして、生と死に挟まれた部分が、目には見えないけれども確かに存在する”命“、”エネルギー“です。
私は語り続けます。
君たちが何らかの形で一人立ちしたら、その時こそ、まわりの誰かのために君の時間を使いなさい。
そして、この世で1番の幸せ者になろうね!と。
就労移行支援施設すずかぜ
施設長・講師 大城 豊