June bride(ジューンブライド)
電車の吊り広告で女性向けの週刊誌のキャッチコピーとして使われることが多いので、知っている方もおられるかと思います。
日本では、6月は蒸し暑い梅雨の時期にあたりますので良いイメージはありませんが、ヨーロッパでは花の種類が多いこの時期に結婚式を挙げるカップルが多いようです。
アメリカ留学中、私は英語で苦労していました。
何もかも投げ捨てて日本に帰ろうかと思う日が続き、担当の教授に相談に行きました。
帰り際に、先生は私に短い詩をくださいました。
その詩の冒頭の一行、それが
「置かれたところで咲きなさい」
という言葉でした。
夢を持って私がアメリカに渡った頃は日本人留学生の数も現在のように多くありませんでした。
想定外の日々の生活の数々、特に言葉の壁に四苦八苦している私を見るに見かねてくださったのでしょう。
いただいた詩は、続けてこう書かれていました。
「それは、自分が笑顔で生き、周囲の人々も幸せにすることによって自分がここに植えられたことに間違いはなかったと証明することなのです」
と。
私は変わりました。
担当教授との面談で勉強が急に楽になったわけではありませんが、苦しくても頑張ろうという気持ちになったのです。
苦しくて放り出しそうになった時、勇気を出して積極的に担当教授やクラスメートに近づいて教えてもらうように努めました。
“置かれたところ”は、人それぞれ違います。
不利な境遇であったり、体の障がいであったり、精神の障がいであったり、“役立たず”と思われ片隅に追いやられることさえあるかもしれません。
しかし、どんなところに置かれても咲く心を持ち続けたいものです。
その時、道が開けてくる。
その度に、私たちの人生に“花を咲かせる心”が育つような気がします。
*追記
「置かれたところで咲きなさい」という詩はとても有名な詩で、私と同じような体験をされた方が本を出されていますのでご紹介したいと思います。
「置かれた場所で咲きなさい」 著:渡辺和子 幻冬舎
就労移行支援施設すずかぜ
施設長・講師 大城 豊