福祉の働きは相手を「信じる」ことから始まると聞いたことがあります。
理不尽さを感じることがあっても、私たちが福祉を続ける理由はそこに意味があるからです。
ご覧になられた方もいらっしゃると思いますが、3月5日の報道ステーションで、
パラスノーボーダーの成田緑夢(ぐりむ)さんが出演されていました。
緑夢さんの考え方や生き方について松岡修造さんが次のようにコメントしておられました。
「パラリンピックには色々な人生のストーリーを背負った選手が参加します。
勝ち負けの人生から勇気をもらうのではなく、
その人生のストーリーから夢や希望をもらうことができれば
どんなに素晴らしいことでしょう。」
とても感動しました。
どんな人もそれぞれのストーリーを歩んでいて、
他の誰も”わたし(その人)の人生”の主人公にはなれない。
“わたし”以外の人はすべて脇役。
主人公である”わたし”がどう生きるのかをそれぞれの人生で問われている。
現実にどう向き合い、取り組んでいくかが大切で、
そんな”わたし”の姿が他の誰かに勇気を与えることができるなら、
これほど素晴らしいことはない。
と言っているように思いました。
わたし達一人ひとりに背負わされている境遇(人生)に、
「なぜ?」「どうして?」と問うのではなく、
人生がわたし達に「あなたはどうするのか?」と問いかけてくるのですね。
様々な人生のストーリーが交わる交差点で、
笑顔や勇気が生まれるために障がい者の施設が存在するのだとしたら、
障がい者支援の現場で働く者たちは、笑顔や勇気が生まれるために働いているのです。
まさに「すずかぜ」いえ「めぐみの」はそんな場所だと思っています。
就労移行支援施設すずかぜ
施設長・講師 大城 豊