就労移行支援施設すずかぜでは、日々のプログラム終了後に一日の反省を一人一人述べていますが、
最近「自分の良いところ」を入れてみたらどうかと提案がありました。
それ以降、利用者さんの発言は明るい雰囲気に変わりました。
前向きな発言は当然ながら、作業の能率も上がり、様々な面に反映されています。
こんなにも場を変えるとはと思うくらいです。
俳優の船越英一郎さんの話です。
彼は2時間ドラマの帝王と呼ばれているそうです。
船越さんは
「俳優が僕の職業。自分とは違う人生を生きるのが僕らの仕事」
だと語ります。
一方、ドラマではなく自分を出す番組では、
「船越英一郎という生き様をご覧頂いている」
と自然体であることを心がけていると言います。
元妻との離婚において多くを語らない船越さんでしたが、
「乗り越えたら必ず前の自分より強い自分がいる。
強い自分を手に入れるということは、優しい自分にもなる」
と素敵な言葉を添えています。
その船越さんの座右の銘の一つに
「悪くても感謝」
があるといいます。
これは、お母様から心にすり込まれた言葉だそうです。
人生、感謝どころか悲観的なことが多くあるかに見える。
その中で感謝するって難しいことです。
ですが、悲観的なことの中にも自分を成長させてくれる何かがあるならば、
感謝なことかもしれません。
中国の故事の中に
「人生万事塞翁が馬(じんせい ばんじ さいおうがうま)」
という話があります。
ある所に一人の老人が一頭の馬を飼っていた。
ところがある日、その馬がどこかに逃げて行ってしまった。
人々が気の毒がると、老人は
「そのうち福が来る」
と言った。
やがて、その逃げてしまった馬は駿馬を連れて戻ってきたと言う。
すると、その駿馬に乗った老人の息子は落馬して足の骨を折った。
人々がそれを見舞うと、老人は
「これが幸福の基となるだろう」
と言った。
一年後、隣国が攻めてきて兵役を免れたため戦死しないで済んだという。
良いことに有頂天にならず、悪いことに失望せず、人生の裏表を冷静に見つめる。
そんな生き方に良い人生の道があることを覚えたい。
平成30年の世相を表わす一文字に【災】が決まったようです。
確かに、北は北海道から南は九州まで豪雨災害や土砂災害、地震による災害が多発しました。
今なお、何万人という方々が避難所や仮設住宅で暮らしています。
来年こそ福が来ることを信じて、恐れ惑うのでなく、冷静さの目を持って、
よし!と受けて立ちたいものです。
就労移行支援施設すずかぜ
施設長・講師 大城 豊